今更よりもい論(8)「まとめ」
1ヶ月位かけて書いてきた今更よりもい論も今回でラストです。
お品書き
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《総括1,宇宙よりも遠い場所ってどこ?》
《総括2,自分で選んだ道であるということ 》
次に吟隊長の言葉を見てみましょう。9話の回想シーンやラミングのシーンで語られる「何度も何度も」は吟ちゃんの魂と貴子が呼んだものです。そして12話「思い込みこそが現実の理不尽を突破し、不可能を可能にする」という名言。ここから第二の条件は「達成可能であると心に強く思い、繰り返し挑戦すること」だということがわかります。
ここで重要なのがテーマの提示と解決方法を示すそれぞれのセリフが別々の四人に分割されている点ではないでしょうか。一人の超人的なキャラクターがみんなを引っ張っていくストーリーにしてしまうと、「でもあいつは元からすごい奴だからできるのであって・・・」と感じる人も出てくるかと思います。しかし、このアニメは宇宙よりも遠い場所の正体、そしてそこへ到達する方法を四人の人間が別々のタイミングで語っているので、このテーマがどんなパーソナリティを持っている人にも当てはまるということがよりよく伝わる気がします。
極めつけは作品のラストでのめぐっちゃんの行動です。もっとも深い澱みにはまっていた人間が「もうひとつの宇宙よりも遠い場所」へ到達したことにより、作品が一貫して伝えようとしていることに説得力が増します。そうして我々はモニタ越しにキャラクターたちから問いかけられているように感じます。
「さぁ次はお前の番だぞ。どうするつもりだ?」と。
《総括3,きっとまた旅に出る》
最終回のラストに流れる四人のモノローグはこの作品を締めくくるにふさわしい素晴らしい文章になっています。
以下引用
旅に出て初めて知ることがある
(中略)
それを知るためにも足を動かそう
知らない景色が見えるまで足を動かし続けよう
どこまで行っても世界は広くて
新しい何かは必ず見つかるから
ちょっぴりこわいけど、きっとできる
だって
同じ思いの人はすぐ気づいてくれるから
まさにここまで13話を使って語られてきた「宇宙よりも遠い場所」への完璧な解答になっているのではないでしょうか。そして画面には最後のサブタイトル「きっとまた旅に出る」の文字が。これは四人組のことを表していると同時に我々へのメッセージにもなっています。まだ自分なりの「宇宙よりも遠い場所」を見つけていない人も、すで一度そこへ到達してこれから新たな目標を探す人も、一度挫折を味わった人も、「きっとまた旅に出る」日が来るんだというメッセージ。そしてその時にはこのアニメを思い出してほしいという願いも込められているように感じます。サブタイトルの下には小さな文字ですが英文で、
Best wishes for your life's journey!
(人生の旅路に幸運を!)
と書かれていることからも、これは視聴者へ向けたメッセージという意味合いが強いことがわかりますね。視聴者層を考えると、これはすでに一度自分なりの「宇宙よりも遠い場所」に到達したことがあるのに今はまた別の問題から現実の日々に閉塞感を感じている20~40代くらいの人に刺さるアニメなんでしょう。現在進行形でそこを目指している青春真っ只中にある人にはピンとこないかもしれません。そんな人でも10年後くらいにふと迷ったときに足を止めてこのアニメを見てみると、まったく違う作品に見えるかもしれません。たぶん10年後でもまったく色褪せることなく見れる作品だと思います。
さて長々と8回くらいに分けて書いてきた今更よりもい論ですが、この辺でおしまいにしようと思います。(まだまだ書きたいことはたくさんありますが)へたくそな文章なので読むのは大変だと思いますが、すこしでも楽しんでいただけたのであればうれしいです。
あまりよりもいファンとネット上で絡んだことはないのですが、これを機にみなさんの意見もうかがってみたいです。コメント欄や私のツイッターに感想や反論、指摘などいただければ嬉しいです。
それでは。
読んでいただいてありがとうございました
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