カープで一番活躍した外国人はウルソーですか?

塾講師 兼 助っ人外国人のうルソーがカープとアニメと教育についてグチグチ言います。

アニメハチナイ感想#12

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第12話「世界で一番あつい夏」

 神宮寺が、有原が、河北が、宇喜多が、そして団長が

それぞれに見せ場を作りながら試合は佳境へ

 

そして、その後にも彼女たちの青春は続いていく。

そんな最終回を振り返っていきましょう。

 

 

神宮寺が手に入れた「戦友」

 

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公式サイトSTORYより

 

前回から引き続き清城との1回戦。

3回表。同点に追いつかれた里高の攻撃から話はスタートします。

 

勝負師阿佐田先輩が感じ取った清城の違和感。それは彼女たちにとっても名門復活への第一歩となる大事な試合ゆえのプレッシャーでしょうか。

 

それを一番感じ取っていたのがエースの神宮寺でした。

自分が復活させた野球部。集まってくれた戦友たちのためにも自分が抑えなくては。

そんな気持ちが昂れば昂ぶるほど、ボールはキレをなくしていきます。

 

前回の感想でも書きましたがこの時点で神宮寺の直球は里高に捉えられ始めていました。清城の捕手牧野はそれをどこかで感じ取りながらも神宮寺に対する引け目(実力的なもの)から言い出せずにいました。

 

連打からのスクイズで1点を失い、なおもランナーを背負ってバッターは岩城先輩。

豪快に振って遠くへ飛ばしたい団長がプライドを捨ててバットを短く持ったことも牧野は気づいていました。

 

結果はバックスクリーンに飛び込む2ランホームラン。

イタすぎる3点のビハインド。

 

そこに来てようやく牧野は気づきます。

清城は神宮寺のいう「戦友」の集まりを目指してやってきたが、その実エースの神宮寺に頼りきりで対等に背中をあずけ合う関係になっていなかったのだと。味方を信頼して頼ることができないならそれは「戦友」ですらない。ただの依存。責任の押し付け。チームとして戦っていない証拠であると。

 

牧野はそれを感情のままに「強引に」神宮寺にぶつけます。

神宮寺もそれを口では「友情ごっこ」かのように言いますが、その言葉とは裏腹に牧野たちの言葉が嬉しかったのではないでしょうか。失った点は大きいものですが神宮寺、そして清城はそれ以上に大きなものを得ることができたように思います。

 

目標のために一丸となってだれかに頼りきりになることなく戦うことを決意した清城ナインはまさに「戦友」と呼ぶにふさわしい絆を手に入れたのです。

 

「好きなものは好き!」と言えるきもち抱きしめてたい

 

そこから試合は一進一退。途中これまた前回の感想で書いたとおり、阿佐田先輩が怪我。倉敷先輩がスタミナ切れで交代。第1話冒頭のシーンが再現されることになります。

 

その後も粘る清城が一時4-4に追いつくも最後は里高が振り切り念願の公式戦初勝利を挙げることができました。

 

そのシーンはかなりの時間止め絵で表現され、お世辞にもアニメとして質の高いものとは言えませんでした。点が入った場面もあまり臨場感がなく、淡々と取った取られたを繰り返しているだけの印象がありました。

 

でも、そんなシーンを見ながら、そして挿入歌として流れてくる「世界でいちばん熱い夏」を聞きながら「ああ これがハチナイなんだな」と実感しました。

 

アプリ版が開始になったのは予定よりも1年近く遅れた2017年6月

それでもゲームとしては平成の終わりに作られたものとは思えないお粗末なものでした。UIも使いづらく試合シーンもただただスコアボードの点数を眺めるだけ。デレストは苦行以外の何者でもなく、ランクマッチやイベントは度々理不尽なシステムでありえないほどの量の周回を要求されました。

 

それでも魅力的なキャラクターと青春一直線なシナリオに辞めるにやめられないまま続けていくと次第にゲームとしての形は整い、いまではある程度普通のゲームになったなぁと感じることもあります。

 

作品の中の有原たちも最初に作った同好会から、グラウンドを整備して、周囲の反対意見と戦って、試合では悔し涙を飲んで、次第にまとまりのあるチームへと成長していきます。

 

だからアニメ版も「作画が」「演出が」「脚本が」と目の肥えたアニメファンから馬鹿にされ批判されつつも最後までやりきったことがとても価値のあることのように思えます。まさに「どんなときも」の歌詞のように「好きなものは好き!」と言える気持ちを抱きしめてここまでやってきたハチナイの集大成を見せられたような気がしました。

 

作品が他のアニメと比べて低クオリティだからと言って、ネットが批判ばかりだからと言って、それで自分が楽しめなくなる理由にはならないよなと。

自分がこの作品を楽しんでいるならその気持ちを大切にすればいいんだなと。

 

ダイジェスト風に流れていく試合を見ながらそう思ったのでした。

 

 

その後が描かれたラストシーン

 試合が終わって、九月。

里高野球部は新たな目標に向かって動き始めていました。

 

そして、そこには試合を見て心を動かされた生徒たちの姿がありました。

 

自分も野球をやってみたい。

そんな気持ちが抑えきれずにグラウンドへ駆け出すおいしいものクラブの面々。

 

自分が入ってもいいのだろうかと迷う初瀬。

 

有原はそんな彼女たちに笑いかけこう言います

「私と一緒に野球やろうよ」

 

こうして里高野球部の今後を匂わせつつ物語は幕を下ろします。

 

アプリ版の話をするとアニメ放送期間中にユーザーの数はしっかり増えたそうですね。

アニメを見てやってみたいと感じた監督さんたちがアプリもダウンロードしてくれたんだとか。アニメ内では有原たちが勇姿を見せたことで部員が増え、アニメ外ではアプリユーザー数が増えるというこんな理想的なアニメと現実の連動があるものなんですね。

 

アニメ放送したあとにサービス終了に追い込まれるアプリが数多くある中、小さな会社が始めた小さなアプリがたくさんの人に愛されアニメ化し、そして2周年を迎えてさらに続いていこうとしている。そんなプチ奇跡に立ち会えているのを噛み締めながらこの感想を締めようと思います。

 

おわりに 

 文句は山ほどあるし、もっといいものが作れただろっていう気持ちもありますが、それでも「終りよければすべてよし」

この3ヶ月、とても楽しくアニメを堪能することができました。

 

2期は無い!と断言できると思いますが

微かな希望を抱いて待っていようと思います

 

それでは。

 

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