アニメハチナイ感想#11
第11話「全国大会がはじまる」
やってきました。全国大会!
今年の優勝は王者界皇か?向月か?
里高はどこまで勝ち進むことができるのか?
そして、もうひとり。この大会に並々ならぬ感情で臨む者がいた。
そんな第11話を振り返っていきましょう。
二つのバーベキュー
というわけで、全国大会開幕です。
初戦の相手はやはりというかなんというか、清城高校。
もう尺がないからね。ここで当たらないと12-1のリベンジができません。
奇しくも宿舎が同じになった両校は、場所代が安く済むという理由から夕食を共にすることになります。
ここでのあからさま過ぎる対比は少し笑えましたね。
有原のみんなが楽しくその上で勝利も目指す「親友」の野球に対して、神宮寺の勝利至上主義で馴れ合いを嫌う「戦友」の野球。二つの価値観は最後まで交わることなく差し出された謎作画のフランクフルトも皿に残されたまま。
でも、まぁ陰と陽の対比とは言えいくらなんでも、そんな暗がりでバーベキュー食う必要はないだろうと思いましたね。あれだとなんか里高が占拠しているせいで端っこに追いやられている清城みたいにみえてかわいそうでしたね。
さて、このシーン。
清城の牧野というキャラクターが河北に絡んでいきます。
どういう経緯で神宮寺と練習する様になったのかが気になる様子です。
そんなこと本人に聞けよ。と言いたくなりますが、
神宮寺を名前で呼ぶ彼女ですらどこか本人に遠慮している様子なんですよね。本当に野球の勝利以外に共有しているものが少ないのだなと感じることができます。
これは見事に里高が春から何ヶ月もかけて培ってきたものが欠落していることを表します。有原や河北は親しい人間以外は苗字+さん付けで呼ぶこともあり、あまり馴れ馴れしいのは苦手だという様子が見て取れますが、それでも様々な壁にぶち当たるたびに周りの人間との絆を深めながら前進してきました。
トライアウトでの恥ずかしい応援も、夕日の中での未成年の主張式反省会も、グラウンドでの果し合いも、屋上での告白タイムも、合宿での激マズカレーもそして署名活動をはじめとした周囲の応援も、清城にはなかったのでしょう。それはむしろ野球エリートの人たちにはジャマでしかないものなのかもしれません。
くだらない人間関係に悩まされるくらいなら、やる気のある人間だけで効率よく練習したほうがいいと考えるのも決して間違っていないと思いますから。
それでも里高はその無駄を大切に拾い上げ成長してきました。
有原たちが手にしてきたもの。神宮寺が切り捨てたもの。
楽しい野球と勝つための野球。
どちらの野球が正しいのか。
決戦の火蓋は切って落とされます。
二つのバント、二つの凡退
試合は里高の先攻で始まります。
というわけでこの試合、有原や東雲のサヨナラ打で決着という展開ではなくなりました。おそらく最終回は代わって守備に入った宇喜多が外野フライを捕球してゲームセットとなるのでしょう。そうやって1話から打たれてきた布石である「宇喜多外野フライ取れたり取れなかったり描写」にピリオドが打たれるのだと思います。
まぁ それは来週のお楽しみとして…
今回は試合序盤のみでしたが、今後の流れを占う重要なプレーがいくつも生まれました。
まず初回。
ここで清城牧野が神宮寺のスライダーのばらつきについて言及しています。
神宮寺といえば鋭く切れるスライダー。彼女の生命線でもあるこの球が不調ということが今後必ず効いてくる場面があるということです。
これを考慮に入れた上で初回・2回の里高の攻撃を見ていきましょう。
初回。
1番中野を討ち取ったあとの2番阿佐田先輩は狙いすましたかのようにセーフティバントを決めて出塁。硬さの残る清城は3番有原の打球をエラー。そこから4番東雲が先制タイムリーを放ちます。
2回。
フォアボールで出た野崎を鈴木がバントで送り(結果はフィルダースチョイス)得点圏に置くも、ギアをあげた神宮寺の前に後続が繋げず無得点。逆に裏の清城の攻撃でランナーが溜まったところでの野崎のファンブルの間に同点に追いつかれてしまします。
ここで特筆すべきはいまのところバントの成功率が100%(かつ相手は二度ともバント処理をミスっている)というところです。
阿佐田先輩も鈴木も、調子のいい神宮寺のストレートには手を焼きそうだとみるや、ヒッティングではなくバントを選択し結果を出しました。
これがのちに清城バッテリーに重くのしかかるのではないかと思っています。
牧野は意図的にスライダーよりも速球主体のリードをしています。
しかしその速球は初心者にはバントされ、経験者の有原、東雲には外野に運ばれているのが現状です。
「このまま速球主体で行くのか、スライダーを試合中に微調整できるのか、」本来ならば味方の攻撃中にじっくり話し合うべき重要な議題ですが、バーベキューでの牧野の様子を見るにそれができない可能性の方が高いです。
ワンマンチームのエースでも「俺様」にならないのが神宮寺の素晴らしいところですが、チームメイトは明らかにそんな彼女に遠慮してしっかりものが言えない状況です。
来週試合中盤で、これが火種となって清城ベンチにもドラマが生まれそうな予感がしますね。
もう一つ気になったのは2年生ふたりの凡退シーン。
一つは九十九先輩の初回チャンスでの凡退シーン。もう一つは岩城先輩の豪快な空振りシーンです。九十九先輩はいつもどおりの涼しげな顔に少し険しさ(明らかな悔しさ)が出ていましたし、岩城先輩はもう見て分かるレベルでフラグを立てまくっていました。
試合中盤、この二人で得点を取るシーンが必ず訪れるのでしょう。
序盤に攻守にわたって活躍した阿佐田先輩は…もしかしたらアクシデントにみまわれるのかも。(だって1話での終盤の攻防先出しシーンで河北が守備についてたし…)
初心者でありながら個性あふれる2年生組は個人的に好きなので最後に大きな見せ場があると嬉しいっていうだけの話ですけどね。
あと、個人的によかったなと思うのは倉敷先輩関連のシーンですね。
母親が応援に来ることを笑顔で報告したり、阿佐田先輩と笑顔でハイタッチを交わしたりと感情が素直に表に出るようになってきたんですね。
担任がマイクロバスの運転をかって出てくれたのも倉敷先輩が部内外で孤立していないことを表すいい描写だと思います。
こちらも1話冒頭のシーンで野崎にスイッチしていたことからどこかで投手交代があるのでしょうけど、願わくば打ち込まれて失意のうちに交代するのではなく全力を出し切って体力の限界を迎えての交代になってほしいなと思います。
おわりに
いよいよ次回は最終回
倉敷VS神宮寺の投げ合い
河北、宇喜多の登場
そして牧野さんは強引さを身につけることができるのか
さまざまな布石が打たれた状態での中盤~終盤の展開に期待したいです
それでは。