アニメハチナイ感想#5(追記あり)
第5話「はじめての試合!」
GW最終日いかがお過ごしでしょうか
10日ガッツリ休むと休み明けは日常のルーチンワークを淡々とこなすだけでものすごく疲れそうな気がします。
まぁそんな憂鬱な話は一旦忘れて、今回もアニメ「八月のシンデレラナイン」の感想を書いていきたいと思います。
いよいよ9人集まった同好会。今回はじめての練習試合に臨むことになりますが…
練習試合は「練習?」「試合?」
公式サイト storyより引用
今回はサブタイトルが「はじめての試合!」なわけですが、この試合がうまくいかなかったことがわかるシーンから物語が始まります。
…で3週間前に戻って本編開始となるわけですが、有原の練習試合をしようという提案に初心者組の宇喜多や野崎はかなり浮かれている様子が見て取れます。
(何気ない会話シーンからすでに発足から2ヶ月くらい経過していることが発覚しましたね。タイトルの「八月の~」は最終話くらいで回収されるんでしょうか?)
視聴者的には冒頭のシーンがあるので彼女たちのはしゃぎっぷりにすこし胸を痛めるところです。これから自分たちの実力を思い知ってヘコむんだろうなぁと。
さて、すこし話題はそれますが「練習試合」ってなんですかね?
「練習」なんですか?「試合」なんですか?
何が言いたいのかというと、練習の一環として「今日は試合の中でこういう状況になったら必ずこうする」みたいな縛りを設けて実践できるかをテストするためのものなのか、とにかく勝利することを目標としてサインプレーも含めて臨機応変に戦う力を養うためのものなのかということです。
どちらの考えかは出場する選手の質、大会までの期間の長さなどで変わって当然なのですが、大切なのはそれが徹底されているかどうかだと思います。
里高同好会は有原の野球を嫌いになって欲しくないという考えのもとで動くことが多いせいか経験者組があまり意見を押し付けるようなことをしません。それは集団で動かなければいけない時に意思統一がなされない危険性をはらんでいます。
今回、有原は野球を楽しんでほしい。初心者組はあわよくば勝ちたい。東雲やすずわかは負けても経験値を得られればいい。というように試合の入りからそれぞれの考えがバラバラになってしまったのが一番良くなかったのかと思います。
(試合前に選手のポジション発表があって、実際に守備位置についたとき各人の守備位置から見える景色が連続で映されるシーンがありましたが、あれも暗にそれぞれがバラバラの景色を見ている=視点が定まっていないことを示していたのかもしれませんね。)
試合中も各人のバラバラ感がよく出ていたなと思いました。
大きい当たりを狙って好き勝手振り回す岩城先輩、キャッチャーとして自分の捕球で精一杯なすずわか、1点とっただけで喜び「勝てるかも」などと口にする宇喜多、ミスのあと気持ちを切り替えられない河北、冷静に相手を分析しようとするも仲間と共有しようとはしない東雲。
このバラバラ感は自分たちが優勢の時には問題としてあらわれにくいものですが、一度劣勢に立たされてしまうと一気に表面化しチームの空気を悪くしてしまいます。
有原はなんとか鼓舞しようと声を出し続けますが、はじめての試合では初心者組のメンタルを立て直すことはできませんでした。
対する清城はサブポジションの練習や初対戦の投手に対して一回り目は球筋を見ることに徹するなど「練習」としての目標を全員が理解した上で練習試合に臨んでいました。
有原は本当にこのあたりがキャプテンに向いていない人間でアプリ版でも夏の大会はそんな感じで大敗を喫するわけです。
まあそれでも練習試合の負けひとつとっても実力の差はもちろんのこと、意識の差でも負けてたんだよっていうのを思い知らせるのは良かったなと思いました。
最後の夕焼けのグラウンドでの小っ恥ずかしい反省会にも意味を持たせられますしね。
反省会は有原、東雲の性格が非常によく表れていて好感が持てました。
野球を楽しんでやりたい有原は練習試合を組んだことを後悔するように「皆来てくれないと思ってた。考えなしにみんなを盛り上げちゃって」と語っています。野球に対してNOと言われるのがなによりも怖い有原は実はメンバーの思いや気持ちを信じきれていなかったのかもしれません。
それに対して、東雲は積極的に宇喜多に思いを伝え宇喜多の思いを引き出そうとします。「負けてもいいんだ、失敗してもいいんだ。」それは4話で自分が同好会からもらったものです。あの時の気持ちを頑張って東雲なりに伝えようとするものの中々うまく言葉にはできません。それでも宇喜多というプレイヤーがこの程度で終わるはずはないと信じています。アプリ版の東雲もそうですが意外と面倒見はいいやつなんです。
こうして再びグラウンドに集った9人は新たな決意を夕日の中で叫びます。
最後にみんなで夕日を眺めるのは、みんなが同じ方向を向いていることの比喩なんですね。試合前のポジション別の視点と対比されてチームとしてまとまりが出たことを感じさせます。
なにはともあれ同好会初の対外試合は12-1の大敗
野球漫画や野球アニメはこうでなくてはという王道の負けっぷりでした。
ちゃんと生きてる人々
ところで、アプリ版をやっている人は知っていることなんですが、「ハチナイ」には野球部メンバーが30人登場します。そのうちアニメ版の同好会には9人が入部しています。それ以外の21人のキャラのファンは「自分の推しはどうやって登場するんだ?」とやきもきしていることと思います。
おそらく今後入部していくるのは3人くらいだと思いますので、それ以外の18人はエキストラ的な出演になるのではないかと思います。
この出演方法は賛否あると思います。そりゃあ自分がハチナイを続けている理由になっている推しキャラがチョイ役で30秒も画面に映っていなかったとなればがっかりするでしょう。
でも、私はこの方法でとてもいいと思っています。それは私が常々言っているアニメの中の「生きてる感」みたいなものに関わってくるからです。
私はアニメや漫画の「キャラが自分の仲間としか絡まない空間」があまり好きではなく、豊富なサブキャラがメインキャラの生活風景を補完してくれているようなものを好みます。
例えば今回のユニフォーム作りにおいて天草琴音というキャラクターにデザインを依頼しに行くところです。アニメではまったく説明がありませんが天草は1年4組に在籍しており主人公の有原やすずわか、野崎とは別のクラスです。じゃあ同好会で1-4はというと河北と宇喜多なんですね。これを踏まえてそのシーンを見るとしっかり相談に行くキャラが河北・宇喜多の二人になっています。
いつもは「つばさ、つばさ」言ってる河北もちゃんと自分のクラスで交流を広げていることがわかるいいシーンです。こうやってキャラクターがちゃんと生きてるんだなって感じられるのはとても嬉しいことなので、今後もメインになれなかったキャラクターたちはどんどんエキストラで出してほしいですね。
余談ですが、清城の神宮寺、牧野コンビも牧野がすでに「さやか」呼びになっていたのは良かったですね。いちいち相手校の裏話まで見せなくてもこっちの二人はこっちの二人でいろいろあったんだろうなと感じることができました。
ベーブルースの教え
今回のサブタイトルの下にちっちゃい文字で書かれている言葉はかの有名なベーブルースの言葉でした。
意訳すると「チームが全体でどう動くかが成否をわける」という感じでしょうか。
まさに今回の練習試合の内容にぴったりでしたね。
あの一瞬でちゃんと次回予告してるんだなと感心しました。
この名言以外にも今回の練習試合にはベーブルースの格言が散りばめられていました。
例えば…
“三振を恐れていては何もできない”
岩城先輩の基本姿勢ですね。葉っぱくわえてんのかというほどの豪快な空振りを披露していましたがいつかあのスイングがチームを救う日が来るのでしょう。
“守備の甘いところへ打つのがコツだ”
ライトに打っとけば宇喜田がもたつくからね。
“ピッチャーがストライクを投げるということは、次のホームランのチャンスが生まれるということだ”
東雲の球は現時点では清城にはチャンスボールだったようです。
世界最高の選手を集めても手を取り合ってプレーしなければ無意味だ
東雲が落ち込む宇喜多に手を差し伸べ口下手なりに前向きな言葉をかけようとしていたシーンはなかなかグッとくるものがありました。アニメ版では東雲に宇喜田が懐いていて面白いですね。
“簡単ではないが、できないという理由にはならない。”
“諦めない奴には絶対に勝てない”
今後の同好会がどうなっていくのかはわかりませんが、この敗戦で心が萎えて野球やめると言い出すメンバーがいなかったのは良かったですね。
このアニメは一貫して失敗や間違いをおかしたり、敗北の憂き目にあっても意思を捨てずにもう一度やってやればいいというメッセージを発信しつづけているのが好感が持てます。
おそらく最終話付近でリベンジの機会は訪れるでしょう。
追記:ベーブルースの名言といえば「俺が野球をやっていなかったら刑務所か墓場にいる」ですがどう頑張ってもこの言葉を今回のシーンとこじつけることができませんでした。このシーンがそれにあたるよとか気づいた方はコメントしていただけると嬉しいです。
おわりに
いかがでしょうか? 里高同好会はベーブルースの教えを自分たちの野球に知らず知らず取り入れて進歩しようとしています。ネットではいろいろ言われる本作ですが、私はもう少し穏やかな気持ちで見守っていきたいと思っています。
それでは。
追記:最初に投稿したときは何を勘違いしたのか試合結果を12-0と書いてしまっていました。12-1ですね。申し訳ありません。訂正いたします。