塾講師のぼやき(夏期講習)「読書感想文を書こう①」
はじめに
夏休みもあと1週間。
皆さんは今年の夏にしかできない体験ができましたか?
もう思い残すことはないですか?
それではそろそろ学校の準備に取り掛かりましょう。
宿題は全て終えましかた?
読書感想文などの面倒くさそうなものを後回しにしていませんか?
心配いりません。
読書感想文なら2日あれば書き終わります。
今からでも十分間に合う感想文の書き方解説していきます。
まずは本選び
読書感想文においてもっとも重要なものは本選びです。
学年ごとに決められている推薦図書なんてクソ喰らえです。
読書は自発的なものでなくてはいけません。
自分が読んでみたい、面白そうだな、と思う本を選びましょう。
そもそも本が嫌いで面白そうと思ったことがない?
なら教科書に乗っているお話でもOKです。国語の教科書にはたくさんの物語が載っていますがその中には、全部を載せられないからクライマックスの一部だけが掲載されているものもあります。そういったものを通しで読んでみるのがいいでしょう。
そしてそれ以上にオススメなのが、一度読んだことのある本の中から一番面白かったものをもう一度読むという選び方です。
かなり昔に読んだので今の自分の学年からは少し低レベルかな、と思われるものでも構いません。自分が面白いと思える本を読むことが絶対に重要です。
理由は二つ。
本を読む時間は興味の度合いによって短くなっていくから。
そして感想は興味の度合いによって多く出てくるからです。
短い時間で読破できて感想もたくさん出てくるなら、これほど感想文にうってつけの題材はありません。
あとは図書館にいって探すというのもアリです。
図書館には司書という本選びのエキスパートがいます。この人に読みたいジャンルや長さを伝えてどんな本が多く借りられているか聞いてみるのもひとつの手です。
図書館によってはこの時期感想文におすすめの本というコーナーを作っているところもあるのでそういったものを利用するのもいいですね。
本を読もう
本を選んだら読みましょう。
当たり前ですが、一度読んだことのある本を選んだとしても通しでしっかり読みましょう。
もし読書が苦痛でないなら、本は2回読んだほうがいいと思います。
一度目は結末を知るための一気読み。とにかくストーリーをつかむために読みます。
二度目はセリフ、描写、心の動きなどに注意しながら読みます。この作業はRPGでいうところの隠し要素を探すことに似ているかもしれません。隅から隅までくまなく探すことで一度目に気付かなかった設定、伏線などに気づくことができれば感想が変わることもあるかもしれません。
読書がイヤでイヤで仕方ないという人はとりあえず頑張って最後まで読みましょう。
読んでるうちに興味が出てきて最後まで読めるということもありますから、最初の方でへこたれずに読み進めていくことが肝心です。
いきなり感想文用のメモを取りながら読む人もいるかと思いますが、私はおすすめしません。代わりにしっかり本を読んでください。慣れている人でも斜め読みはせず、一文一文噛み締めるように読むのが感想文を書くコツです。
本を閉じよう
読み終わったら本を閉じます。
そしてお茶でも飲んで一息。
そのあとで目を閉じてなんでもいいから先ほど読んだ本の印象に残っているシーンを一つ思い出してみてください。
セリフでも、場面でも、たった一行でも構いません。
これができない場合は本を読むことからやり直しです。
選ぶところからやり直したほうがいいかもしれません。
なんでもいいから一つ思い出せたのなら感想文はかけたも同然です。
紙を持ってきてそのシーンをできるだけ具体的に説明するように書いてみましょう。
そして、そのシーンについて「どう思ったのか」書いてみます。
単に面白かった。つまらなかった。でもいいですし、ワクワクした。涙が出そうになった。腹が立った。自分のことのように嬉しくなった。などの気持ちが出てくれば最高です。
次は「なぜそう思ったのか」について考えてみましょう。
例えば、面白かったという気持ちについて
・会話の中に出てくる単語が面白かった。
・ふたりの掛け合いが面白かった。
・動きや表情が手にとるようにわかって面白かった。
・ふざけているようで実はすごい事実が隠されているところが面白かった。
などどこで面白さを感じたかを説明してみましょう。
改めて整理すると
①印象に残っている場面
②それについてどう感じたか
③なぜそう感じたか
の3点セットがメモに書き出せたらOKです。
初日にここまでがしっかり出来ていればあとは楽勝です。
おわりに
国語の読解問題でも「解く」前に「読む」が大切になってきます。
感想文でも「書く」前に「読む」の部分がとても大切なのです。
ここをじっくりやっておけば必ず「書く」が楽になります。
次回はいよいよ「書く」作業に入ります。
いくつか例を挙げながら実際に書いてみたいと思いますのでよろしくお願いします。