塾講師のぼやき(夏期講習)「読書感想文を書こう②」
はじめに
読書感想文の書き方というかでっち上げ方の第2弾です。
本さえ読めばもうこっちのもの
今回は感想文の体をなすなんらかのモノを作り上げていく作業を解説します。
とりあえず本の紹介
読書感想文において長々としたあらすじ紹介は邪道とされていますが、気にすることはありません。まずは自分が読んだ本がどのような内容だったのかきちんと先生に説明しましょう。
感想文の冒頭に
①自分はこんな本を読んだよ
②その中でも一番印象に残っているのはこんなシーンだよ
という説明を入れておくのは書き出しがスムーズになるのでおすすめです。
ただやはりあらすじが長すぎると、たんなる本の紹介文になってしまいますので手短に。原稿用紙2枚(800字)程度の課題であれば最初の200字までにこのパートを終わらせましょう。(まぁ200字以上使ってもコンクール用の作文とかでない限り減点にはならないと思いますよ。書く事無かったらガンガンあらすじで埋めましょう。)
ポイントは誰が、何をして、どうなったの部分だけをまとめることです。
『桃太郎』ならば
桃から生まれた桃太郎が、イヌサルキジをお供に、鬼退治をする話。
印象に残ったシーンは三匹の動物をお供にする場面。
という具合です。おじいさんもおばあさんもきびだんごも使わずに説明するくらいでちょうどいいと思います。
「どう」と「なぜ」が重要
ここからが本題。
冒頭で印象に残ったシーンを説明したあと
①そのシーンを具体的に「どう」感じたのか
②「なぜ」そう感じたのか
を書いていきましょう。(初日に作っておいたメモに書いてあることを書くだけです。)
どうでしょうか?
ここまで3段落くらいに分けて原稿用紙1枚くらい埋まってしまったのではないでしょうか?
もしまだ1枚目の半分くらいしか埋まっていない人は「なぜ」の部分に肉付けをしていきましょう。
例えば自分が「面白い」と感じたシーンは「なぜ」そう感じたのでしょうか?
今までに見た他のお気に入り作品に似ていたから?自分が体験したことと共通点があったから?逆に今まで見聞きしたことない不思議さを感じたから?自分が「おもしろい」と判断した理由は自分の過去・現在と関係がある場合が多いのではないでしょうか?
こういった自分との共通点や相違点を対比させていくとなにか書けそうではないですか?
自分も同じことをするなという共感、自分ならこんな事しないなという反感、実際に自分は似たような場面でこんなことをしたことがあるという体験。
そういったものは「なぜ」を補強してくれるものです。
そういったものを並べて書いていくだけで1枚目は突破できるのではないでしょうか?
あとは繰り返すだけ
これで原稿用紙1枚目がクリアできたら、次はこれをもう一回繰り返しましょう。
もう一つ別のシーンを抜き出してきて「どう」「なぜ」を書いていきます。
こうすることで分量をかさ増しすることが可能です。
シーン2つ分でこれをやっていれば大体600~700字くらいは埋まるのではないかと思います。(無理ならあらすじのボリュームアップでごまかしましょう)
あとはなんか適当にまとめをくっつけて出来上がりです。
上手にかけている必要は全くありません。しっかりと決められた分量を守って最後までかけていることが大切です。
文章を書く事が苦手な人は、センスが足りていないのではなく練習が足りていないだけです。
作文はよく料理に例えられます。
上達するコツは三つ。
途中で投げ出さずきちんと一人で最後まで作ること。
同じものを何度も作って自分のものにすること。
他人に味わってもらって感想を言ってもらうこと。
感想文も上手になるためにはたくさん書くしかありません。
だから今年の夏下手くそな感想文でも構わないのです。来年も再来年も課題が出たら同じ手順で作ることを繰り返して先生に直してもらって上達していけばいいのです。
恐れずに、どんどん下手くそな文章を書いて書いて書きまくってください。
おわりに
感想文がなんで嫌われてるかと言えば、学校の先生が書き方を教えてくれないからです。鉄棒やリコーダーのように学校で最低限のことを教えてから夏休みの宿題に出してくれればいいのになと毎年思います。